■ カブトムシ飼育Q&A |
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カブトムシ博士:H. Takasaki |
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★ カブトムシを育てるという事 |
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なぜカブトムシを育てるのですか? |
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カブトムシはクワガタムシやセミとちがって、1年で一生を終えます。したがって、秋の幼虫は、翌年の夏には成虫になります。幼虫の飼育は成虫よりも簡単で、朽ち木(椎茸のホダ木のくさったようなやつ)をプランターにいっぱい入れて(水がぬけるように、栓はしない)、半日陰(まったく日のあたらないところは不可)で雨のかかるところに置いておくだけです。だいたい梅雨の後半から蛹になりますから、その頃家の中でカブトムシが出てきて徘徊しても大丈夫な部屋か玄関にでも移しておきます。そうしておけば、お客さんが来るとカブトムシと「こんにちは」ということになります。死んでも生き返る電子ペットの飼育よりは、子どもの情操教育(というほど大袈裟なもでもないですが)にはよいでしょう。 |
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まだ、子供が小さいんですが、、、 |
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お子さんはおいくつですか。わたしの家から成虫をもっていって、それに卵をうませ今年39匹のカブトムシの成虫が出てきて、その卵から生まれた幼虫を今また継続して飼育している小学1年生がいます。ですから、親も興味があって飼育につきあってやれれば、幼稚園の年長組さんくらいから上は大人まで十分楽しめます。ちなみに、その小学1年生のお母さんは、以前はイモムシなどまったくさわれなかった人なのですが、今ではカブトムシの幼虫を手のひらにのせて平気になってしまいました。食べるところまではいきませんが。 |
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カブトムシは、1年しか生きないんですか? |
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通常は、成虫は冬を越せません。 |
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カブトムシを採集すると、生態系に悪い影響があるのではないでしょうか。 |
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カブトムシは、もう20年以上業者の養殖によって本州や四国産が全国に出荷されていますから、いまさら大きな生物的な遺伝子の撹乱は問題にもなりません(もう起こってしまったし、人間の経済活動による撹乱以上のものにはならないでしょう)。 |
★ 幼虫の探し方 |
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なんだか自分でも幼虫掘りをしてみたくなりました。どういうところを掘ればいいのか、コツを伝授していただけませんでしょうか? |
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理論的に解説します。カブトムシの幼虫の生息環境はどんなところか考えます。 |
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自分で、幼虫を探す方法を教えて下さい。 |
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まず、シイタケのホダ木のもうシイタケも生えなくなったものが、日当たりのよい場所にまとめて捨ててあるところが、第一候補です。暗いところでは、幼虫があまり好きではない菌類が増えるようです。シャベル、スコップ、クワなどあると作業が楽です。まず少しほって、糞を探してください。糞が見つかればいます。 |
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幼虫は、どんな所にいますか? |
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先週で中国地方の真夏日はおしまい、という気がしたので、週末に今期最初のカブトムシの幼虫掘りに出かけました。というより、過ぎ行く夏を惜しんで最後のクワガタムシ採りに出かけたのですが、そちらがさっぱりだったので、カブトムシの幼虫掘りに切り替えたわけです。成虫は、夏が早くきたせいで、仕事が一段落しないうちに最盛期が終わってしまい、今年は不作でした。近所のポイント(徒歩5分)で去年は何匹もつかまえたのに、今年は0でした。しかし、夏が早くきたということは、産卵も早く始まったということで、今年の秋の幼虫のサイズは大きいのでは、との期待をしながら、かねてから目をつけていた別の朽ち木がゴロゴロとある場所(自転車20分)に行くと、幼虫のウンチが目にとまりました。ビンゴ!これで近所のポイントにも、来年成虫がこなければ、放してやることができる。 |
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幼虫掘りの実例を教えて下さい。 |
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11月前半に、ショベルと移植ゴテを持って今シーズン最初のカブトムシ掘りに出かけました。 |
★ 幼虫の飼育 |
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幼虫を飼育するプランターのサイズは、どのくらいですか? |
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サイズは、大きければ大きいほどいいです。 |
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腐葉土はどのくらいの厚さにすれば、いいですか? |
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深さ25cmくらいのプランターに、上までたっぷりと腐葉土や朽ち木を入れてそれを、雨のかかる屋外で、一日のうち半日ほど日のさすところに置いてやればよいです。そのままで蛹まで大丈夫です。プランターの水ぬき穴をふさがないように注意するだけで、雨ざらしならほったらかしでOKです。屋内に入れるとダニが増えたり、カビが生えたり、いろいろなトラブルが発生します。腐葉土の層が深い分には、いくら入れてもかまいません。 |
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プランターの置き場所はどこが、いいですか? |
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幼虫の飼育容器は、排水だけは確実になるようにして、雨ざらしが管理は楽です。春先(4月)までは、ポカポカと半日くらい日のあたるところがいいです。 |
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幼虫の大きさにもいろいろあるのですか? |
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大きいものは、前年の9月の段階であの大きさにちかくなっています。ほとんど全部が3齢(終齢)幼虫になっていると思います。体が小さくても頭の大きさが同じであれば、同じ齢です。小さいやつは今からも大きくなるでしょう。大きい奴はもうそんなに大きくなりません。 |
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幼虫の餌は、何がいいですか? |
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餌は、一番安上がりなのは、近所の山に行って広葉樹の朽ち木を拾ってくることです。鹿児島も町になってしまって見つからないと思うかもしれませんが、グリーンベルトを歩けば落ちていたりします。また、フェニックスヤシのぼろぼろになったところもOKです。郊外では、もちろん簡単に朽ち木は拾えるでしょう。シイタケのホダ木の朽ちたものも上等です(シイタケどろぼうに間違われないように)。 |
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幼虫の糞は、いつ取り除けばいいですか? |
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タイミングというほどのむずかしいことはあまりありません。腐葉土や朽木クズのなかの糞の割合が1/3-1/2を超えたかな、と見える時期になったら、ひっくり返してまだ食べていない朽木を戻してさらに腐葉土や朽木を足して、それに幼虫を戻せばいいです。 |
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プランター以外でも飼育できますか? |
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10匹いる場合、半分をプランター、残りを透明プラスチック水槽で飼ってみるのも面白いでしょう。モゴモゴと動き回る音を聞いたり、糞がお尻から出るのを観察するのは、時間を忘れます。庭に余裕のあるところでは、コンクリートブロックで四角い枠を土の上に作り、その中に腐葉土や朽ち木を入れてやるといいです。その場合、蛹になるのは、土にもぐった位置になることが多いようです(高校生のとき一度ためしました)。 |
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カブトムシの育て方を見ると5月頃にカブトムシのいるところをひっくり返してかびなどが生えていないかチェックしなさいと書いてありますが。 |
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ひっくり返してください。わたしのところでは、おとといやりました(5月)。プランターは水抜きの穴があけてありますが、幼虫の糞がつまって、水はけが悪くなっているはすです。これで気温が上がると、幼虫は死に、冬虫夏草が生えてくれば大金持になれるのですが、ほとんどの場合腐るだけです。野外に置いて失敗する場合の大半は、水はけの不良です。一番簡単なのは、もう一つプランターを用意して、朽ち木や腐葉土などを入れ、古い方をひっくり返して、幼虫だけを新しい方に移します。糞と腐葉土は最高の有機肥料、土壌改良剤になります。 |
★ 蛹と羽化 |
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いつ頃、蛹になりますか? |
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蛹になるのは、去年のような天候異常がなければ、おそらく6月上旬から下旬。成虫になるのが6月の下旬から7月の中旬というところでしょう。 |
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ひょっとして5月頃にカブトムシが大きくなってどこかへ飛んでいってしまうのではないかと心配になることがあります。網などで囲まないでいいでしょうか? |
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鹿児島あたりで5月にカブトムシの成虫が出てくることは、よっぽどの異常気象あるいは温室の中以外、ありません。蛹になるのが、例年だと大体6月の上旬から中旬だと思います。岡山では、6月下旬です。蛹を見たい人は、鹿児島なら6月中旬、岡山なら7月上旬にそっと手で少しずつ掘ってみてください。掘り出した蛹は、金魚鉢のようなプラスチックのケースにでも、一度水を含ませて固く絞ったミズゴケをたっぷり入れて、壁ぎわにでも指でグリグリと蛹のはまるくらいの隙間をつくって頭が上を向くように立てて入れておけば、そこで羽化します。はねが伸びて、はじめ白かったのが、茶色になって硬くなるまでさわらない方がよいです。 |
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前蛹とは、何ですか? |
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うちのカブトムシの幼虫たちは、6月初旬で全員、前蛹(幼虫の皮を脱いでいないが、もう内側は蛹で、脱皮が完了すれば蛹になる)になっています。玄関にプランターごと入れました。虫の嫌いな客には当分の間、勝手口を使ってもらいます。飼育中の皆さんは、しかるべく対処ください。前蛹には触らない方が無難です。思春期の少年・少女のようなものです。 |
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うちのカブトムシを覗いたら、その前蛹というのを通り越して、皮はぬいでいるけど、背中の殻だけ出来ていないのを2匹も土から堀りおこしちゃいました。こんな刺激が入ると、もう、羽化できないのでしょうか。 |
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おそらく完全な蛹になっているものと思います。背中の部分は、ハネが腹の側を包む方向にのびて、背中の体節構造がむき出しになっているのであって心配いりません。ちょうど蝶の蛹から蝶が出てきたときにハネが伸びるのと同じで、蛹から脱皮してそれからハネが伸びて、そのうちの前バネが鎧になって背中の部分を覆う形になるわけですから。 |
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今日、朝玄関のプランターをのぞいたらカブトムシが2匹上に出てきていて死んでいました。死んでいたのは雌のカブトムシでした。何がいけなかったんでしょうか?上に出てきてから食べるものがなかったのでしょうか?それとももう少し注意してみていれば助けることができたのでしょうか? |
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地上に出てきてそれから死んだという事例は始めて聞きます。想像ですが羽化まではまったく問題がなかった。したがって、地上に出てくるまでの過程あるいは地上に出たところで、何かにやられたということになります。まさに変死です。食べるものは、地上に出てから探しますし、出てきてからしばらくは、食べなくても、乾燥しすぎていなければ問題はないはずです。 |
★ カブトムシ(成虫)の育て方 |
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カブトムシの育て方を教えて下さい |
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あまり手をかけないのが、長続きの秘訣です。息切れしてしまううような飼い方では、続きません。また、あまり触りまくるのもよくないようです。コツは、長続きのするデートの場合と同じです。相手を思いやる愛がなければいけません。 |
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クワガタムシの育て方を教えて下さい。 |
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クワガタムシの成虫は、適当な大きさのすこし堅めの朽ち木を入れてやると、朽ち木に孔をほったり、その下にもぐったりして隠れて休みます。その下は土だけよりは、適当に落ち葉などがまじっている方がよいでしょう。今からの季節(秋−冬)は、乾燥に注意が必要ですが、過湿(と高温)による失敗(体にダニがついたりカビがはえる)の方が多いようです。冬眠するわけですから、その眠りを妨げないように、邪魔をしないように、家の中で、零下にはならないけれども比較的寒いまま安定するところに置くのが冬の管理の秘訣です。ようするに適度にほったらかしにできる所をえらんで、保管するのが楽で、虫のためにもなります。 |
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今うちの虫かごの土の中にクワガタムシが3匹ほどいるのですが、当然住処は別に作るんですよね。 |
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別に作った方が無難です。クワガタムシは意外に獰猛で、とくにメスは他の幼虫(カブトムシの幼虫を含む)を殺して食べてしまうことがよくあります。オスのクワガタムシでさえ、メスに食われることもあるそうです。クワガタムシとカブトムシは成虫同士も相性がよくありませんし(餌場をめぐってケンカする)、幼虫もおそわれるとなると、格闘とその結末を観察するのが目的でなければ、分けて飼育した方がよいでしょう。 |
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